米テキサス州がソニーBMG提訴、ウイルス侵入の欠陥
 
  【ニューヨーク=小山守生】米テキサス州の司法当局は21日、米大手レコード会社のソニーBMGが音楽CDに組み込んだ複製防止機能に欠陥があり、消費者がコンピューターウイルスの危険にさらされたとして、同社をスパイウエア対策法に基づき民事提訴した。
 
  ソニーBMGは、今春以降に発売した約50種類の主力CDに、パソコンでの不正コピーを防止するソフト「XCP」を組み込んだ。CDを再生するとXCPがパソコンにインストールされるが、ハッカーがXCPを隠れみのに、ウイルスを送り込めるという欠陥が判明。同社は今月中旬から米国でXCP付きCDの無償交換を始めている。
 
  テキサス州は「CDにXCPを忍び込ませた」ことが、ソフトウエア利用者らへの明確な通知を求める同州のスパイウエア対策法に違反したとしている。同法では、違反1件ごとに最大10万ドル(約1190万円)の罰金が科されるという。
 
  同社のXCP付きCDでは、カリフォルニア州の消費者らも損害賠償を求めて提訴している。
 
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  「XCP」が付いたソニーBMG製の音楽CDは国内でも約40タイトル、計約5万枚が輸入・販売されており、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)はCD販売店に対して販売中止と在庫の回収を要請している。CDの購入者には、XCPが入っていない同じタイトルのCDと交換する方針。並行輸入品についても「正規輸入品の購入者と同様の対応を検討している」(SME)という。
 
 (2005年11月22日12時21分  読売新聞)