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ソニーBMGの音楽CD問題、日本では消費者の反応薄く

 米ソニーBMG製の著作権保護機能付き音楽CDがパソコンのウィルス感染を招く場合もあるとして、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)とBMG JAPANが日本でも回収・交換を発表した。ただ、24日時点で両社への問い合わせはほとんどないという。米国では消費者団体やテキサス州がソニーBMGを相手に訴訟を起こすなど大きな問題となっており、日米の温度差が大きいようだ。

 米国では既にソニーBMGが複製防止ソフト「XCP」のついていないCDを郵送で交換するか、MP3形式のファイルでユーザーに送るという対応を始めている。同社のサイトでは問題の経緯やQ&Aを詳細に掲載している。

 日本ではSMEグループで同CDの輸入元のソニー・ミュージックジャパンインターナショナルが18日、店頭からの回収を始めた。購入したユーザーには「XCP」のついていないCDが入荷次第、月内をメドに交換を始める予定だ。BMG JAPANは21日からサイト上で、ユーザーからの交換依頼を受け付けている。

 しかしSME側は「国内で40タイトル、約5万枚を出荷済みだが問い合わせは少ない」(広報部)としている。BMG JAPANは「2タイトルで約1万枚を販売済みだが交換の申し出は1件もない」(法務部)。両社とも、現時点で実際に「XCP」によってパソコンに何らかの障害が発生したとの報告は受けていないという。

 日本での報道が少ないことに加え、交換を始めたBMGのサイトでは非常にわかりにくい場所に案内があり、問題の存在自体がまだ知られていないのが現状のようだ。

 ソニーBMGはソニーが出資しているが日本に拠点はない。輸入元の2社ともにサイト上の詳細情報はソニーBMGの英文サイトにリンクするにとどまっている。

[2005年11月25日/IT PLUS]